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鉄道ファンは鉄道にお金を払っているのか。ほとんど払っていない。ここが鉄道趣味と他のオタク趣味との違いだ。
高級カメラと長い望遠レンズで列車を撮り、高価な鉄道模型を収集する。鉄道ファン向けの書籍、写真集も山ほどある。こうした趣味行動を見ると、鉄道ファンはお金持ちに見える。しかし鉄道ファンのお金は、趣味の対象である鉄道会社にほとんど還流されない。そのお金はどこへ行くかと言えば、カメラメーカー、撮影地に向かうクルマのメーカー、模型、本を作る出版社などである。鉄道そのものを提供する鉄道会社にはほとんど届かない。これが鉄道趣味の特徴であり、他のオタク市場と決定的に違うところである。
コミック、アニメなどの提供者にとって、ファンは重要なお客さま。いや、お客さまそのものだ。しかし鉄道会社にとってお客さまとは「通勤通学や用事、旅行で列車に乗ってくれる人」である。鉄道ファンは鉄道会社のお客ではない。もちろん切符を買って列車に乗るファン(乗りテツ)も多い。しかし自嘲を込めて言えば、筆者も含めた乗りテツのほとんどは「いかに安い切符でたくさん乗るか」を極めようとする。切符の規則や制度に注目しており、周遊切符や複雑な経路の長距離切符など、手間のかかる切符を要求する割に売り上げは小さい。あんまり良いお客さんとはいえないのだ。
